40代を迎え、ようやく手に入れた自分だけの時間。高画質な大型テレビとPS5で、映画やゲームに没入したい。そう思って接続したのは良いものの、「設定」画面を開いて途方に暮れていませんか?
「VRR」「ALLM」「120Hz」「RGBレンジ」…
巷の解説サイトを見ても、言っていることが違ったり、ゲーマー向けの専門用語だらけで理解できなかったり。「結局、どれが正解なんだ?」と。
わかります。そのモヤモヤ、今日ここで完全に解消しましょう。
こんにちは、ホームシアターコンシェルジュのナオキです。
20年以上、多くのお客様の「異次元の没入体験」をプロデュースしてきましたが、PS5ほど「設定一つ」で体験が激変するハードも珍しいです。
巷には様々な設定がまことしやかに語られていますが、中には古い情報や、特定の環境でしか意味のないものも多いのが実情です。
この記事は、2025年10月22日の最新アップデート(バージョン25.07-12.20.00) に基づき、シアターのプロである私が「これさえやっておけば間違いない」という映像設定の“決定版”を、専門用語の「翻訳」から始めて、ステップバイステップで全解説します。(もちろん、先日発売されたPS5 Proにおいても、この設定が最適解となります)
もう、設定で悩むのは終わりにしましょう。
結論から言うと、以下の設定項目を確認し、変更するだけでOKです。
なぜそうするべきかの「理由」は、この後じっくり解説しますね。
- ゲームプリセット(最重要):
[設定] > [セーブデータとゲーム/アプリ設定] > [ゲームプリセット][パフォーマンス優先と画質優先]→パフォーマンス優先に変更
- 映像出力設定(メイン):
[設定] > [スクリーンとビデオ] > [映像出力][VRR (可変リフレッシュレート)]→自動[未対応のゲームに適用]→オン[120Hz出力を有効にする]→自動[ALLM (自動低遅延モード)]→自動
- 映像出力設定(カラー):
[設定] > [スクリーンとビデオ] > [映像出力][HDR (ハイダイナミックレンジ)]→常にオン(※SDRゲームもHDR化したい場合) または対応時にオン(※SDRはそのまま表示したい場合。迷ったらコチラでOK)[ディープカラー出力]→自動[RGBレンジ]→自動
ナオキこれらが「正解」です。ただし、これらの性能を100%引き出すには、お使いの「テレビ」と「HDMIケーブル」が“ある条件”を満たしている必要があります。それも含めて、一緒に見ていきましょう。
【STEP 0】大前提:「設定」の前に「機材」の確認を
多くの方が陥る「失敗」が、設定だけ変えて「何も変わらないじゃないか!」と悩むケースです。



結論から言うと、PS5の「VRR」や「120Hz出力」といった“真の力”を引き出すには、2つのハードウェアが必須条件となります。
- 120Hz以上に対応したテレビ(またはゲーミングモニター)
- HDMI 2.1規格に対応したHDMIケーブル
これらは、例えるなら「F1マシンのセッティング」です。
設定(セッティング)をいくら煮詰めても、マシン本体(テレビ)が120Hzに対応していなければ意味がありませんし、F1用のタイヤ(HDMI 2.1ケーブル)がなければ、そのパワーを路面に伝えられません。
えっ、HDMIケーブルって付属のもので良いんじゃ…?



はい、PS5に付属している純正ケーブルはHDMI 2.1に対応していますので、それを使っていればまず問題ありません。もし紛失したり、長さが足りなくて別のものを買う場合は、必ず「ウルトラハイスピード(Ultra High Speed)」または「48Gbps」と明記されたHDMI 2.1規格のものを選んでください。HDMIケーブルの“正しい”選び方はこちらで徹底解説しています
テレビ側は、ここ数年(2022年以降など)に発売された中〜上位モデルの有機ELテレビや液晶テレビであれば、120HzやVRRに対応している機種がほとんどです。例えば、当ブログで推奨している『LG B4』のようなモデルなら、これらの性能をフルに発揮できます
ちなみに、その「機材」側、つまりPS5の性能を100%引き出すための「テレビとサウンドバーの“最強の組み合わせ”」については、こちらの記事でデータに基づいて徹底解説しています。設定(ソフト)と機材(ハード)、両輪で揃えるのが“沼にハマらない”最短ルートですよ。
→【プロが断言】PS5/Xboxの“沼”はこれで終わる。RTINGSデータが示す「ゲーミングシアター唯一解」と「テレビ×サウンドバー」最強の組み合わせ。
この2点がクリアできている前提で、いよいよ「なぜ」その設定にすべきなのか、用語解説から始めましょう。
【STEP 1】「fps? Hz? VRR?」プロが翻訳する専門用語
巷の解説サイトでは「とりあえずオンにしろ」と書かれているこれらの用語。ですが、40代の「賢い投資」を信条とする皆さんには、その“意味”をしっかり理解していただきたい。
ここで「ナオキ節」の出番です。車に例えて翻訳しますね。
「fps」と「Hz」:エンジンの回転数と、タイヤの限界速度
- fps (フレームレート):
- 意味: 1秒間に何枚の「絵(フレーム)」をPS5(ゲーム機)が作り出せるか。
- 例え: 車の「エンジンの回転数(rpm)」です。60fpsより120fpsの方が、2倍細かくエンジンが回っているイメージ。映像が“ヌルヌル”滑らかになります。
- Hz (リフレッシュレート):
- 意味: 1秒間に何枚の「絵」をテレビ側が表示できるか。
- 例え: 車の「タイヤの限界速度」です。



ここが重要です。PS5がいくら120fps(高回転)で頑張っても、テレビが60Hz(時速60kmまでしか出せないタイヤ)だったら、結局60fps(時速60km)分の滑らかさしか体験できません。120fpsを体験するには、120Hz対応の「ハイパフォーマンスなタイヤ(テレビ)」が必須なのです。
「VRR (可変リフレッシュレート)」:究極の自動変速機
- 意味: ゲーム機側(PS5)の「fps」の変動に合わせて、テレビ側(120Hz対応TV)の「Hz」をリアルタイムに自動で合わせる(同期させる)技術です。
- 例え: 「超高性能な自動変速機(AT)」だと思ってください。
- 解説: 従来のゲームでは、PS5が「90fps」しか出せない瞬間でも、テレビは「120Hz」で頑固に表示しようとするため、「ギアが噛み合わない」瞬間が生まれます。これが画面のズレ(ティアリング)や、カクつき(スタッター)の原因でした。
- VRRは、PS5が90fpsに落ちたら、テレビ側も瞬時に90Hzに「ギアチェンジ」して合わせてくれる技術。だから、常にギアが噛み合った滑らかな走行(映像体験)が可能になります。
「ALLM (自動低遅延モード)」:瞬時に切り替わる「スポーツモード」
- 意味: PS5が「今からゲームを始めますよ」という信号をテレビに送ると、テレビ側が自動で「ゲームモード(=最も遅延が少ないモード)」に切り替わってくれる機能です。
- 例え: 車の「スポーツモード」ボタンです。
- 解説: 普段、テレビは映画などを高画質で見るために、映像を美しく補正する(ちょっと時間がかかる)「シネマモード」などで動いています。しかしゲームでは、コントローラーのボタンを押してから画面に反映されるまでの「遅延(ラグ)」が命取り。
- ALLMは、PS5の電源を入れるだけで、テレビが自動で「スポーツモード(=余計な補正を全部カットして最速で表示するモード)」に切り替わり、遅延を最小限にしてくれる、非常に賢い機能です。この『ゲームモード』がいかに重要かはこちらで詳しく解説しています
なるほど…!専門用語がスッキリしました。つまり、「120Hz対応のテレビ(速いタイヤ)」で、「VRR(高性能AT)」と「ALLM(自動スポーツモード)」をオンにしておけば、PS5の性能をフルに引き出せるわけですね!



その通りです!これで「なぜ」自動(オン)にすべきか、ご理解いただけたと思います。では、いよいよ実際の設定手順に進みましょう。
【STEP 2】PS5 / PS5 Pro 映像設定の全手順(決定版)
ここからは、PS5のホーム画面から[設定](歯車マーク)を選んだ後の手順です。
手順①:最重要!「ゲームプリセット」を“パフォーマンス優先”に
まず、映像出力メニューの「前」に、やっておくべき最重要設定があります。
[設定] > [セーブデータとゲーム/アプリ設定]を選択。[ゲームプリセット]を選択。[パフォーマンス優先と画質優先]の項目を、パフォーマンス優先に変更します。





これは、「もしゲーム側に『画質モード』と『パフォーマンス(fps)モード』の選択肢があったら、自動的に『パフォーマンスモード』を選んでください」というPS5本体への“事前指示”です。
巷の解説では、これを「画質優先」のままにしているケースも見受けられますが、120fps(=滑らかさ) や VRR(=カクつき防止) の恩恵を最大限に受けるなら、「パフォーマンス優先」一択です。画質が犠牲になると言っても、現代のPS5ゲームはパフォーマンスモードでも十分すぎるほど高画質なので、心配は不要ですよ。
手順②:「映像出力」でVRR・120Hz・ALLMを有効化
次に、メインとなる映像出力の設定です。
[設定] > [スクリーンとビデオ]を選択。[映像出力]を選択。- 以下の項目が「自動」になっていることを確認します。もし「オフ」になっていたら「自動」に変更しましょう。
[VRR (可変リフレッシュレート)]→自動[120Hz出力を有効にする]→自動[ALLM (自動低遅延モード)]→自動
[VRR]を「自動」にすると表示される[未対応のゲームに適用]は、オンにしておくことを推奨します。





STEP 1で解説した通り、これら3つはPS5の性能を引き出す「三種の神器」です。すべて「自動」にしておけば、テレビが対応している場合にのみ機能がオンになります。対応していないテレビで「自動」にしても何も起こらない(またはPS5が『対応していません』と教えてくれる)ので、基本的に「自動」にしておいて一切デメリットはありません。
[未対応のゲームに適用] って何ですか?



これは、ゲーム自体が「VRR対応」を謳っていなくても、PS5側が強制的にVRRを効かせようと試みる機能です。ごく稀に画面が乱れるゲームもあるようですが、私の経験上、ほとんどのゲームでカクつきが改善されるメリットの方が大きいです。迷わず「オン」でOKです。
当ブログが推奨するような、RTINGS.comの客観的データ(※)に基づいた高画質なテレビ(大型有機ELテレビ)の性能も、この設定によって初めて“解放”されます。最新の有機ELテレビの“正解”についてはこちら
(※)なぜ私がRTINGSのデータだけを信じるのか?その“物差し”はこちらの記事で全公開しています。
手順③:「HDR」と「カラー設定」で“異次元の没入感”を
同じ[映像出力]メニューの中をさらに下にスクロールすると、画質の「色」や「明るさ」に関する重要な項目があります。
[HDR (ハイダイナミックレンジ)]→常にオンまたは対応時にオン[HDR調整]も一度実行しておきましょう。ウィザード(案内)に従い、画面のシンボルが「ギリギリ見えるか見えないか」のラインで設定するのが鉄則です。
[ディープカラー出力]→自動[RGBレンジ]→自動



巷のサイトでは、ここの「RGBレンジ」を「フル」にしろ、などと断言しているケースがありますが、これは誤りです。
えっ、そうなんですか!?



はい。「フル」が良いか「リミテッド」が良いかは、お使いのテレビ側の設定と正しく“合わせる”必要があり、非常に複雑です。しかし、現代のHDMI 2.1対応テレビとPS5の組み合わせであれば、「自動」にしておくのが最も賢明であり、まず失敗しません。



以前、巷の情報を鵜呑みにして「フル」に手動設定した結果、「黒つぶれ(暗部が潰れて見えない)」や「白飛び(明るい部分が真っ白になる)」に悩んでご相談に来られたお客様もいらっしゃいました。PS5とテレビが自動で“会話”してくれる「自動」設定を信頼するのが、失敗しないための賢い選択です。
[HDR] については、[常にオン] にすると、HDR非対応の古いゲームやVODアプリ(SDR)も、PS5が擬似的にHDR化してくれます。[対応時にオン] にすると、HDRコンテンツはHDRで、SDRコンテンツはSDRのまま(テレビのSDRモードで)再生されます。
これは好みによりますが、「コンテンツ制作者の意図した画質を忠実に再現したい」というシアターの観点からは [対応時にオン] を推奨します。どちらを選んでも、最新のゲームや映画(UHD BD, VOD)のHDR体験に差は出ませんので、ご安心ください。最高の映像設定が済んだら、次は『音』で損しないVOD選びも重要です
【FAQ】PS5映像設定でよくある質問
まとめ:正しい設定で、PS5の“本当の性能”を解放しよう
今回は、PS5およびPS5 Proの「映像設定」の決定版を、プロの視点から全解説しました。
もう一度、結論となる設定リストを掲載します。
- ゲームプリセット(最重要):
[設定] > [セーブデータとゲーム/アプリ設定] > [ゲームプリセット][パフォーマンス優先と画質優先]→パフォーマンス優先に変更
- 映像出力設定(メイン):
[設定] > [スクリーンとビデオ] > [映像出力][VRR (可変リフレッシュレート)]→自動[未対応のゲームに適用]→オン[120Hz出力を有効にする]→自動[ALLM (自動低遅延モード)]→自動
- 映像出力設定(カラー):
[設定] > [スクリーンとビデオ] > [映像出力][HDR (ハイダイナミックレンジ)]→常にオン(※SDRゲームもHDR化したい場合) または対応時にオン(※SDRはそのまま表示したい場合。迷ったらコチラでOK)[ディープカラー出力]→自動[RGBレンジ]→自動



巷のランキングサイトでは語られませんが、最高の体験とは、高価な機材を買うことだけで得られるものではありません。その機材が持つ性能を100%引き出す「正しい知識」と「正しい設定」があってこそ、です。
当ブログが推奨するような、RTINGS.comの客観的データに基づいた高画質なテレビ(大型有機ELテレビ)の性能も、この設定によって初めて“解放”されます。最新の有機ELテレビの“正解”についてはこちら
ぜひこの設定を試して、これまでとは別次元の、滑らかで美しい映像体験(=異次元の没入体験)を手に入れてください。
