パナソニックから登場した2025年のフラッグシップ有機ELテレビ、「ビエラ Z95B」。
国内メーカーの最高峰モデルとして、その画質や性能に期待を寄せる40代の方も多いのではないでしょうか。Fire TVを搭載し、パネルも最新世代(RGBタンデム配列)になるなど、話題性も十分ですよね。
しかし、同時にこうも思いませんか?
「で、結局のところ『買い』なの?」
「SONYのA95Lや、LGのG5と比べてどうなの?」
「巷のレビューは褒めてばかりだけど、客観的なデータで知りたい」
その感覚、非常に正しいです。特にZ95Bは非常に高価な「投資」になりますから、ブランドイメージや巷の美辞麗句だけで選んで後悔するわけにはいきません。
こんにちは、ホームシアターコンシェルジュの結城 ナオキです。
当ブログは「失敗しない・沼にハマらない賢い機材選び」をモットーに、無責任なおすすめランキング記事とは一線を画し、客観的なデータに基づいた「結論」だけをお届けしています。私がランキングを書かない理由
この記事では、パナソニックZ95Bを、海外の権威ある評価機関「RTINGS.com」の測定データ(https://www.rtings.com/tv/reviews/panasonic/z95b-oled)に基づき、ライバル機(LG G5, SONY A95L)と徹底的に比較。
巷のレビューでは語られないZ95Bの「本当の実力」と、あなたが「あえてZ95Bを選ぶべき(あるいは、選ぶべきでない)理由」を、プロの視点でハッキリと断言します。
【Z95Bを推奨する「唯一」の条件】
以下の3つすべてに当てはまるなら、「買い」です。
- PS5/Xboxでのゲーミング性能(応答速度)を最重要視し、ミリ秒単位の遅延も許容したくない。(※PCゲーマーで165Hzの超ハイフレームレートが必要ならLG G5が優位ですが、PS5(最大120Hz)メインならZ95Bの応答速度が活きます)LG G5のゲーミング性能詳細
- SONY製の特定サウンドバー(HT-A9M2など)が持つサウンド連携機能(アコースティックセンターシンク)は不要であり、かつSONY A95Lよりも「明るい部屋での視認性」を重視する。
- LGなどの海外メーカーではなく、「パナソニック」という国内メーカーの安心感やブランドに、数万円〜十数万円の「差額」を払う価値を感じる。(参考:【プロが暴露】「国産有機EL」という幻想。それでも日本ブランド税を払うべき条件とは)
逆に言えば、純粋な映画体験(Home Theater)のコストパフォーマンス、あるいは77インチの大画面を「賢い予算」で実現したいのであれば、LG G5の方が圧倒的に「賢い投資」になります。
なぜそう断言できるのか、客観的なデータを基に詳しく見ていきましょう。
結論を読んでZ95Bが自分に合っていると感じた方は、こちらのリンクからチェックしてみてください。
なぜZ95Bは「万人向け」ではないのか?RTINGS.comのデータで斬る
我々が機材を選ぶ上で最も信頼すべきは、個人の主観的な感想ではなく、専用機材で測定された「客観的なデータ」です。
その点で、北米の「RTINGS.com」は最も信頼できる情報源の一つです。当ブログがRTINGS.comのデータを“物差し”とする理由はこちら
彼らが公開しているZ95Bのスコアを見てみましょう。
▼ Panasonic Z95B OLED – Scores
- Mixed Usage: 8.9
- Home Theater: 8.9
- Gaming: 9.2
- Bright Room: 8.2
結城 ナオキスコアを見ればわかる通り、Z95Bは全方位で「8.2」を超える超ハイスコアを叩き出しており、フラッグシップ機として全く恥ずかしくない、最高レベルの性能を持っていることは間違いありません。
すごいスコアですね!じゃあ、やっぱり「買い」なんじゃないですか?



そこが「沼」への入り口なんです。確かにZ95Bは素晴らしい。しかし、我々40代の「賢い投資」という観点では、「ライバルと比較してどうか?」「その価格に見合うか?」という視点が不可欠です。
映画体験(Home Theater):LG G5が「コスパ」で優位
まず、私たちが最も重視する映画体験(Home Theater)のスコアは「8.9」です。これはA95LやG5といったライバル機とほぼ同等、あるいはごく僅かな差で、どれを選んでも最高レベルの体験ができることを示しています。
しかし、ここで3つの重要なポイントがあります。
- サイズと価格のバランス: 2025年10月、ついに日本国内でも待望の77インチモデルが投入されました。しかし、その価格設定は非常に強気です。当ブログが推奨する「異次元の没入体験」には可能な限りの大画面が不可欠ですが、同じ77インチを選ぶなら、予算を抑えられるLG G5を選ぶ方が、浮いた予算を音響(サウンドバー)に回せるため、トータルの満足度は高くなります。
- コストパフォーマンス: LG G5は、Z95Bとほぼ同等(あるいはそれ以上)の映像美を実現しながら、実売価格はZ95Bよりも安価になる傾向があります。RTINGSの比較レビューでも、LG G5の方が全体的に明るく、コストパフォーマンスに優れる旨が示唆されています。
つまり、「価格」においても、LG G5はZ95Bにとって最強の壁として立ちはだかります。それでもZ95Bを選ぶ理由は、「Panasonicブランド」への信頼か、後述する「ゲーミング応答速度」へのこだわり以外になくなってくるのが現実です。
結論、映画鑑賞をメインに考え、「画質」と「価格」のバランスによる賢い投資を最重視するなら、LG G5を選ぶ方が合理的と言えます。LG G5の詳しいレビューはこちら
ゲーミング性能:Z95Bが持つ「絶対的な優位性」
では、Z95Bの価値はどこにあるのか?
それが「ゲーミング性能」です。
RTINGS.comのスコアで「Gaming」は9.2と極めて高いですが、注目すべきはさらに詳細な項目「Game Mode Responsiveness(ゲームモードの応答性)」です。「ゲームモード」設定の重要性



巷のレビューでは「144Hz対応!」といったリフレッシュレートばかりが注目されますが、FPSや格闘ゲームで本当に重要なのは「入力遅延(インプットラグ)」です。コントローラーのボタンを押してから画面が反応するまでの“コンマ数秒”の速さですね。
Z95Bの「Game Mode Responsiveness(ゲームモードの応答性)」スコアは「9.4」。これは、ライバルであるLG G5(9.2)やSONY A95L(8.9)をも明確に上回る、現行モデルで最高峰の数値です。
LG G5はPCゲーマー向けに165Hzまで対応していますが、PS5(最大120Hz)での応答性能やヒートシンクによる安定性を重視するなら、Z95Bは間違いなく最強の選択肢の一つです。
これは、PS5(映像設定ガイド)やゲーミングPCで、特にFPSや格闘ゲームなど、ミリ秒単位の遅延が勝敗を分けるシビアなプレイをするユーザー(高いHDMIケーブルは無駄金です。プロが選ぶ最適解はこちら)にとって、何物にも代えがたい「絶対的な価値」となります。PS5の映像設定の全手順
ただし、一つだけ「PCゲーマー」への警告があります。
RTINGSの検証によると、Z95B(およびLG G5)のパネル特性として、「画面に近づきすぎると、ディザリングによる斜めの線やノイズが見える」という現象が報告されています。 リビングでソファに座ってプレイする分には全く問題ありませんが、「デスクに置いてPCモニター代わりに至近距離で使う」という用途には適さない可能性があります。この点は、高解像度モニターとしての利用を考えている方は注意が必要です。
SONY A95Lとの「決定的」な違いとは?
ゲーミング性能はZ95Bが最強なのは分かりました。じゃあ、もう一つのライバル、SONY A95Lとはどう違うんですか?



非常に良い質問です。両者を分ける違いは、主に「明るさの質」と「サウンド連携」の2点に集約されます。
1. 明るさ(Z95B)か、色の鮮やかさ(A95L)か
RTINGSのデータによれば、Z95Bは「明るさ(Brightness)」においてA95Lよりも優れており、特に明るいリビングでの視聴に適していると評価されています。一方、QD-OLEDパネルを採用するA95Lは、「色の鮮やかさ(Color Volume)」においてわずかに優位性があります。
- 日中のリビングで使用する機会が多い: 明るさに強い Z95B
- 遮光されたシアタールームで映画の色に浸る: 発色の A95L
2. サウンドバーとの連携機能
そしてもう一つ、決定的な機能差が「サウンドバー連携」です。
SONY A95Lには「アコースティックセンターシンク」という機能があり、SONY製の対応サウンドバー(例:HT-A9M2)と組み合わせると、テレビ本体をセンタースピーカーとして活用できます。
一方、Z95Bには(当然ながら)このSONY独自の連携機能はありません。
つまり、もしあなたがSONYの最高峰サウンドバー(HT-A9M2など)の導入をすでに決めているなら、A95Lを選ぶべきです。
逆に、SONY以外のサウンドバー(Bose, Sonos, JBLなど)を使う予定なら、A95Lを選ぶ必須理由は薄れ、「ゲーミング性能」と「明るさ」で勝るZ95Bが有力な選択肢になります。
口コミで賛否両論の「音質」と、Z95Bが抱える「弱点」
Z95Bの購入を検討する際、ネット上の口コミも気になりますよね。
調査してみると、画質に関しては絶賛の声が多い一方、「内蔵スピーカーの音質」については賛否両論でした。
【ポジティブな口コミ】
- 「内蔵スピーカーだけでも十分迫力がある」
- 「以前のテレビより音がクリアに聞こえる」
【ネガティブな口コミ】
- 「画質は最高だが、音は期待外れ。昔のテレビの音」
- 「低音が足りず、結局サウンドバーを追加購入した」
- 「価格を考えると、この音質は割高に感じる」



この賛否両論の状況、私から言わせれば「結論、その通り」です。
ネガティブな口コミを寄せた方は、おそらくZ95Bの「画質」に対する期待値が非常に高かったため、それに見合う「音質」を内蔵スピーカーにも求めてしまったのでしょう。
しかし、当ブログで何度も申し上げている通り、テレビ本体の内蔵スピーカーで「異次元の没入体験」を実現するのは物理的に不可能です。どれだけメーカーが「高音質」を謳っても、薄型テレビの小さなスピーカーでは、専用のサウンドバーが再生する音の「厚み」「広がり」「重低音」には絶対に敵いません。「サウンドバーが必須な理由はこちら」
実際、RTINGSの評価でも「市場で最も音の良いテレビの一つ(one of the best-sounding TVs)」と称賛されており、セリフの聞き取りやすさは優秀です。
しかし、同時に「低音がほとんど出ない(doesn’t produce much bass at all)」とも明確に指摘されています。どれだけメーカーが「高音質」を謳っても、薄型テレビの構造上、映画の迫力を決める「重低音」だけは物理的に再現できないのです。「Z95Bの画質」に釣り合う音を求めるなら、サウンドバーの追加導入は必須です。
むしろ、音質に関するネガティブな口コミは、「テレビ本体のスピーカーに余計なコストをかけるのは“賢い投資”ではない」という当ブログの主張を裏付けてくれる、貴重な意見と言えます。Z95Bの最高の画質と組み合わせるサウンドバーの賢い選び方はこちら
まとめ:Panasonic Z95Bが「あなたにとっての正解」になる条件
長くなりましたので、Panasonic Z95Bを選ぶべきかどうかの「最終結論」をまとめます。
Z95Bは、RTINGS.comのスコアが示す通り、間違いなく現行最高峰の性能を持つテレビの一つです。
しかし、「40代の賢い投資」という観点では、ライバル機(LG G5, SONY A95L)との明確な比較が不可欠です。
【Z95Bを選ぶべき「でない」人】
- 映画鑑賞がメインで、コストパフォーマンスを重視する人。
- 77インチ以上の大画面で、最高の没入体験を求める人。
(→ この2つの場合はLG G5が最適解です) - SONYの最高峰サウンドバー(HT-A9M2など)との完璧なサウンド連携を求める人。
(→ この場合はSONY A95Lが最適解です)
【Z95Bを選ぶべき「唯一の人」】
- ゲーミング性能(特に応答速度)を最重要視し、ミリ秒単位の遅延も許容したくないヘビーゲーマー。
- かつ、SONYのサウンド連携機能は不要な人。
- かつ、「パナソニック」という国内メーカーの安心感に価格差以上の価値を見出せる人。
Z95Bは、非常に高性能ですが、同時に「選ぶ人を選ぶ」極めてニッチなモデルとも言えます。「3機種のより詳細な目的別比較はこちら」
巷のランキング記事やレビューに流されることなく、ご自身の「目的」と「環境」を客観的に見つめ直し、Z95Bがあなたにとっての「賢い投資」となるか、ぜひこの記事を参考に判断してみてください。
あなたの目的が「最高のゲーミング体験」と「国内メーカーの信頼」であるなら、Z95Bは最高の相棒になるでしょう。


