「Boseの新しいサウンドバー、結局『600』と何が違うの?」
「サイズはいいけど、映画の迫力は本当に出るの?」
もしあなたが、限られたスペースで「失敗しない」ホームシアターを作りたいと考えているなら、このBose Smart Soundbar(2024年モデル / 旧Smart Soundbar 600の後継機)は、極めて有力な選択肢です。(※RTINGSの評価でも、実力は名機「600」と実質的に同等と証明されています)
しかし、警告しておきます。
巷の「おすすめランキング」にある「これ一本で映画館のような迫力!」という謳い文句を鵜呑みにして、単体だけを買うと、「あれ?こんなものか?」と肩透かしを食らう可能性があります。
なぜなら、世界で最も信頼できる検証機関「RTINGS.com」のデータは、このサウンドバーの「明確な弱点」を浮き彫りにしているからです。私がランキングサイトではなくRTINGSのデータだけを信じる理由
今回は、プロの視点でRTINGSの客観的データを読み解き、このサウンドバーを「買って後悔する人」と「最高の相棒にできる人」を明確に分けます。結論から言えば、これは「育てる」ことを前提とした、40代にとって非常に賢い投資先です。
- 結論: マンション・個室シアターの「最適解」。ただし「サブウーファー追加」が真の完成形。
- 強み: 横幅約70cmのコンパクトさで「物理的な上向きスピーカー」を搭載。Sonos BeamよりAtmos効果は上。
- 弱点: 単体では重低音が全く足りない(RTINGS映画スコア7.0の原因)。DTS非対応。
- 推奨プラン: まず単体で購入 → 満足できなければ「Bass Module 500」を追加。これで化ける。
このセットで「沼」を回避する
RTINGS評価が暴く「Movies 7.0」の正体
まずは、客観的なデータから現実を見てみましょう。以下は、RTINGS.comによる「Bose Smart Soundbar」の全スコアです。
▼ Bose Smart Soundbar Soundbar Review
- Mixed Usage (総合): 7.2
- Dialogue/TV Shows (会話/テレビ): 7.3
- Music (音楽): 7.3
- Movies (映画): 7.0
出典:RTINGS.com | Bose Smart Soundbar Soundbar Review
お気づきでしょうか?
音楽やテレビ番組(Dialogue)が「7.3」であるのに対し、肝心の映画(Movies)が「7.0」と、やや低めの数値が出ています。
「Boseなのに映画が苦手なのか?」
いいえ、違います。これは「物理サイズの限界」が正直に数字に出ているだけなのです。
なぜ「映画」のスコアが伸び悩むのか?
その答えは、周波数特性(音の出る範囲)のデータにあります。
Low-Frequency Extension: 53.4 Hz
出典:RTINGS.com | Bose Smart Soundbar Soundbar Review
53.4Hz。 これがすべての答えです。
映画の爆発音やエンジンの地響きのような「重低音」は、一般的に20Hz〜50Hz付近に含まれます。このサウンドバーは、物理的にサブウーファーを内蔵していないため、一番おいしい「ズズズ…」という重低音を再生できていないのです。
RTINGSもレビュー内でこう指摘しています。
lacking an outboard subwoofer, there’s not a full amount of low-end extension, so if you’re listening to EDM or doom metal, that deep throb of bass and rumble isn’t there.
(外部サブウーファーがないため、ローエンドの伸びが十分ではありません。EDMやドゥームメタルを聴く場合、あの深い低音の鼓動や轟音はそこにはありません。)
出典:RTINGS.com | Bose Smart Soundbar Soundbar Review
ナオキつまり、このバー単体では『綺麗な音』は出ても、『部屋が揺れるような映画体験』は物理的に不可能なんです。これを理解せずに買うと、『思ったより迫力がない』という低評価レビューを書くことになります。
それでも「Dialogue 7.3」が光る理由
一方で、「Dialogue/TV Shows(セリフ・テレビ番組)」の7.3点は見逃せません。Bose独自の「AI Dialogue Mode」とセンターチャンネルの設計が優秀だからです。
The soundbar has a center channel with always-on up-firing drivers, and it sounds excellent. Speech sounds even and articulate
(サウンドバーには常時オンの上向きドライバーを備えたセンターチャンネルがあり、素晴らしい音がします。スピーチは均一ではっきりとしています。)
出典:RTINGS.com | Bose Smart Soundbar Soundbar Review
40代になると、映画のBGMばかりうるさくてセリフが聞こえない…という悩みが増えますよね? このサウンドバーは、「声の聞き取りやすさ」に関しては、このサイズクラスでトップレベルです。
40代の「賢い投資」はここから:拡張で完成させる
「単体では低音が足りない」。これをネガティブに捉える必要はありません。むしろ、「最初はスモールスタートできて、必要に応じて拡張できる」というメリットだと捉えてください。
私がこの機種を推す最大の理由は、専用のサブウーファーとリアスピーカーを追加することで、RTINGSのスコアを一気に覆す「化け物」に変貌する拡張性にあります。
1. 必須の相棒:Bose Bass Module 500


もしあなたが「映画(Movies)」のスコアを7.0から引き上げたいなら、これが必要です。
上位機種の「Bass Module 700」もありますが、このサウンドバー(幅69.5cm)とのバランスを考えると、「Bass Module 500」が黄金比です。約25cm角のサイコロサイズで、邪魔になりません。
これを足すことで、先ほどの「53.4Hz」の壁が突破され、アクション映画の迫力が劇的に変わります。
2. 没入感のトドメ:Bose Surround Speakers


さらに「背後から音が聞こえる」体験を追加するのがこれです。
Boseのリアスピーカーは他社に比べて圧倒的に小さいのが特徴。これなら、「大きなスピーカーを後ろに置くなんて邪魔!」という奥様の反対(妻ブロック)も回避しやすいでしょう。



いきなりフルセットを買う必要はありません。まずはバー単体。次にサブウーファー。最後にリア。この順序で買い足していけるのが、Boseのエコシステムの強みです。
永遠のライバル「Sonos Beam (Gen 2)」との決着
ここで必ず迷うのが、同価格帯・同サイズのライバル「Sonos Beam (Gen 2)」です。
RTINGSの比較データを見てみましょう。
| 項目 | Bose Smart Soundbar | Sonos Beam (Gen 2) |
|---|---|---|
| Atmos効果 | 有利 (3.0.2ch) | 不利 (5.0ch/バーチャル) |
| ステレオ音場 | 普通 | 広大 |
| 拡張性 | 専用Sub/Rearあり | 専用Sub/Rearあり |
| DTS対応 | × 非対応 | 〇 対応 |
結論:
- 「映画の立体感(Dolby Atmos)」重視なら、Boseです。
Boseには本体上面に「物理的な上向きスピーカー(アップファイアリングドライバー)」があります。これにより、天井反射を利用して実際に上から音を降らせます。Sonos Beamはこれを「バーチャル処理」で行うため、天井からの音の実在感はBoseが勝ります。 - 「音楽」や「物理メディア(Blu-ray)」重視なら、Sonosです。
Sonosはステレオ再生の広がりが素晴らしく、音楽スピーカーとしても優秀です。また、Boseの最大の弱点である「DTS非対応」(※後述)をカバーしています。Sonos Beam (Gen 2) の詳細レビューはこちら
購入前に知っておくべき「唯一の致命傷」
このBose Smart Soundbarを「手放しで絶賛」しないのが私の流儀です。一つだけ、人によっては致命的になりうる弱点があります。
「DTS音声フォーマットに非対応」であること。
Sadly, there’s no DTS support, which means your Blu-ray collection won’t necessarily shine in all its lossless glory.
(残念ながらDTSはサポートされていません。つまり、あなたのBlu-rayコレクションは、必ずしもロスレスの輝きを放つわけではないということです。)
出典:RTINGS.com | Bose Smart Soundbar Soundbar Review
もしあなたが、「手持ちのBlu-rayやDVDを最高の音質で見たい」という物理メディア派なら、このサウンドバーは避けるべきです。DTS音声の映画を再生すると、PCM(ステレオ)などに変換されてしまい、サラウンド効果が激減します。
逆に、Netflix、Amazon Prime Video、Disney+などの「動画配信サービス」がメインなら、全く問題ありません。 配信のほとんどは「Dolby Digital」や「Dolby Atmos」採用だからです。
40代が選ぶべき高画質・高音質なVODサービス(配信)の正解
うちは配信9割、たまにテレビ放送を見るくらいです。



それならDTS非対応は無視してOKです。配信派にとって、この弱点は存在しないも同然ですから。
まとめ:Bose Smart Soundbarは「40代の賢いベースキャンプ」
Bose Smart Soundbar(旧600)は、単体で全てを解決する魔法の杖ではありません。RTINGSの「Movies 7.0」というスコアは、低音の物理的な限界を正直に示しています。
しかし、それは「伸びしろ」でもあります。
- まずは単体で購入し、テレビの音とセリフの聞き取りやすさを劇的に改善する。
- 余裕ができたら「Bass Module 500」を追加し、映画の評価を「7.0」から激変させる。
- 最終的に「Surround Speakers」を足して、完全な没入環境を作る。
この「計画的な拡張」こそ、一度に数十万をかけられない、しかし品質には妥協したくない我々40代にとっての「賢い投資」です。
あなたのシアター生活の第一歩、まずはこのバーから始めてみませんか?
▼まずはここから。配信派のための「賢い」スタート地点
▼映画の評価を「激変」させる必須の相棒


