PS5やPS5 Proを手に入れ、SONY HT-A9M2やBose Ultra Soundbarのような高性能なサウンドバーに接続。(当ブログが推奨する“完成形”サウンドバーのレビューはこちら)いざ最高の体験を!……と設定画面を開いた瞬間、手が止まってしまった。
「HDMI機器の種類……? 俺が持ってるのはサウンドバーなのに、選択肢にAVアンプがあるぞ……?」
「音声フォーマット……? リニアPCM? Dolby Atmos? どっちが偉いの……?」
そんな経験、ありませんか?
こんにちは、シアターコンシェルジュのナオキです。20年以上ホームシアターの世界にいますが、このPS5の音声設定は、40代の「沼にハマりたくない」ユーザーにとって、あまりにも不親切な“罠”だと感じています。
特に、当ブログで「沼にハマるから買うな」と一貫してお伝えしている『AVアンプ』という単語が設定項目にあるため、混乱は必至です。
巷のサイトでは「ゲームは遅延がないリニアPCMが最強だ」とか、「とりあえずDolbyを選べ」とか、情報がバラバラですよね。私が巷の“最強説”や“ランキング”を鵜呑みにしない理由
結論から言いましょう。設定を一つ間違えるだけで、あなたが数万円、あるいは十数万円投資したサウンドバーの性能は、文字通り100%殺されます。
この記事では、なぜそう言えるのか、そして「沼」にハマらずに“異次元の没入感”を引き出すための「完璧な設定手順」を、プロの視点からステップバイステップで解説します。もう迷う必要はありません。
お使いのサウンドバーが「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応しているかどうかで、選ぶべき答えが変わります。
(※当ブログが推奨するSONY HT-A9M2, Bose Ultra Soundbar, JBL Bar 1000などはすべて「Atmos対応」です)
【パターンA】Atmos対応サウンドバーの場合 (最重要・推奨)
- HDMI機器の種類: AVアンプ を選択
- 音声フォーマット (優先): Dolby Atmos を選択


【パターンB】Atmos非対応(5.1chなど)サウンドバーの場合
- HDMI機器の種類: AVアンプ を選択
- チャンネル数: 5.1ch(または 7.1ch)を選択
- 音声フォーマット (優先): Dolby Audio を選択
えっ、待ってナオキさん! パターンAもBも、なんでサウンドバーなのに『AVアンプ』を選ぶんですか!? 壊れたりしませんか?
このブログでは「AVアンプは買うな」って言ってませんでしたっけ? 矛盾してませんか!?
ナオキ素晴らしいご指摘です。それこそが、ほとんどの人がハマる“最大の沼”であり、この記事の最重要ポイントです。
当ブログの基本スタンスは、一貫して【40代はAVアンプを買うな!】です。これは絶対に揺らぎません。
では、「なぜ“モノ”としてのAVアンプは不要なのに、PS5の設定項目では『AVアンプ』という“文字列”を選ばなければならないのか?」
今からその理由を、誰でもわかるように解説していきますね。
最大の疑問:「サウンドバー」なのに「AVアンプ」を選ぶべき理由
この設定項目は、40代のユーザーを混乱させる最悪のネーミングだと私は思っています。
多くの人は、この「HDMI機器の種類」という項目を、「今、PS5に繋がっている“機械の名前”を選んでください」と誤解してしまいます。
- 「自分が持ってるのはサウンドバーだ」
- 「だから『サウンドバー』を選んだ」
- 「『AVアンプ』なんて持ってないから選ぶはずがない」
これは、完全に間違いです。



この設定は『機械の名前』を聞いているのではありません。『繋いでいる機械の“機能”はどれですか?』と聞かれているんです。
車で例えてみましょう。
- 「テレビ」を選ぶとは?
- 「僕は普通のテレビです。難しい音声信号(Dolbyとか)は分かりません。PS5さんの方で全部処理して、一番簡単な音(ステレオ2ch)にしてください」と伝えること。
- 「サウンドバー」を選ぶとは?
- 「僕はちょっと良いサウンドバーです。でもAtmosとかは無理です。PS5さん、5.1chくらいまでの音に処理して送ってください」と伝えること。(※PS5側の古い定義です)
- 「AVアンプ」を選ぶとは?
- 「僕は“全部入り”の最高機能を持っています。Dolby AtmosだろうがDTS:Xだろうが、どんな音声データが来ても僕(サウンドバー側)が完璧に処理できます。だからPS5さんは何もせず、音のデータを“生のまま”全部送ってください」と伝えること。
なるほど! 機械の名前じゃなくて、『機能の宣言』だったんですね!



その通りです! SONY HT-A9M2やBose Ultra Soundbarのような現代の高性能サウンドバーは、機能的には“AVアンプ”と“スピーカー”が一体化したようなものです。だから、その性能を100%引き出すには、PS5に対して『僕はAVアンプ(と同じ機能があります)!』と宣言する必要があるんです。「AVアンプの沼」と決別し、サウンドバーセットを選ぶべき理由はこちら
もし「サウンドバー」を選んでしまうと、PS5は「あ、Atmos非対応のシンプルな機械だな」と勘違いし、せっかくのAtmos信号を送るのをやめてしまいます。 これが、性能を100%殺してしまうという意味です。
第2の沼:「リニアPCM」vs「Dolby Atmos」どっちが正解?
「AVアンプ」を選ぶべき理由がわかったところで、次の沼です。
「音声フォーマット(優先)」は、どれを選ぶべきか。
ここでも巷の「ゲームはリニアPCM最強説」という情報が、あなたを混乱させます。



先に結論を言います。Atmos対応サウンドバーを持っているなら、Dolby Atmos(ビットストリーム)一択です。(そもそも“沼らない”サウンドバー選びの“物差し”が知りたい方はこちら)リニアPCMを選んではいけません。
この2つの違いも、簡単に「翻訳」しますね。
- リニアPCM (LPCM) を選ぶとは?
- PS5がゲームの音をデコード(処理・翻訳)し、完成した音(非圧縮)をサウンドバーに送る方式。
- Dolby / DTS (ビットストリーム) を選ぶとは?
- PS5は音をデコードせず、生のデータ(圧縮または非圧縮Atmos)をそのままサウンドバーに送り、サウンドバー側がデコード(処理・翻訳)する方式。
どっちの『翻訳機』が優秀なんですか? 巷では『PS5が翻訳した(LPCM)方が、遅延がなくてゲームに良い』と聞きましたが…?



それは半分正解で、半分は古い神話です
確かに、音声を一度「Dolby」という形式に圧縮(エンコード)し、それをサウンドバーで展開(デコード)するビットストリーム方式は、理論上、LPCMよりもごく僅かな処理遅延が発生します。
ですが、それは10年以上前の古いAVアンプや、eARC非対応の光デジタル接続(当ブログでは非推奨)時代の話です。eARCとARCの決定的差
現代のeARC対応サウンドバーとPS5の組み合わせにおいて、その遅延を体感できる人間はまずいません。



巷のランキングサイトでは語られませんが、これは専門家の主観的な感想ではなく、客観的な測定データが証明しています。



見ての通り、信頼できる測定機関(RTINGS.com)のデータでも、eARC接続であればLPCMとDolby Atmosの遅延差は数ミリ秒(1000分の数秒)しかありません。人間が音ズレを体感できるのは早くても40ms〜と言われており、これは完全に『体感不能』な差です。RTINGS.comのスコアを信じる理由
それよりも、リニアPCMを選ぶことの“致命的なデメリット”の方が、100倍問題です。



それは、リニアPCMでは『Dolby Atmos』の音(=高さや位置情報を含んだオブジェクトベースの音声)を送れないという事実です。
あなたがAtmos対応サウンドバーに投資した最大の理由は、頭上や背後から音が降り注ぐ、あの“異次元の没入感”のはずです。
リニアPCMを選ぶということは、その最大の価値を自ら捨てて、ただの「良い音のステレオ(または5.1ch/7.1ch)」に戻してしまう行為に他なりません。
せっかくの4K対応テレビで、わざわざDVD画質の設定にするようなものです。




「ゲームは遅延が命」というストイックなプロゲーマーならLPCMを選ぶ理屈も分かりますが、私たちが目指すのは「40代からの賢い投資で、映画もゲームも異次元の没入体験へ」ですよね?
没入感を最優先するなら、Dolby Atmos一択。これが私の結論です。
【完璧な手順】PS5 / PS5 Pro 音声設定の全ステップ
では、実際の設定手順を画像(のイメージ)と共に見ていきましょう。
(※お使いのテレビが「eARC」に対応している必要があります。最近の大型テレビならほぼ対応していますが、テレビ側の設定でeARCが「オン」になっているかも確認してください)
PS5のホーム画面から 設定 > [サウンド] > [音声出力] を選びます。


「出力機器」が「HDMI機器(サウンドバー名)」になっていることを確認し、「全般」の項目にある「HDMI機器の種類」を選びます。
ここで絶対に「サウンドバー」を選ばないでください。
選択肢:
- テレビ
- サウンドバー
- AVアンプ ← コレを選ぶ
前述の通り、あなたのサウンドバーの「機能」をPS5に正しく伝えるため、「AVアンプ」を選択します
「AVアンプ」を選ぶと、その下の項目が設定できるようになります。
「音声フォーマット(優先)」を選び、「Dolby Atmos」を選択してください。
選択肢:
- リニアPCM
- Dolby Atmos ← コレを選ぶ
- Dolby Audio
- DTS
これで、PS5はゲームや映画(Prime Video, Netflix, U-NEXTなど)のAtmos音声を、そのままサウンドバーに送ってくれるようになります。どのVODがAtmosに対応しているかはこちら
【補足】もしAtmos非対応のサウンドバーなら?
もしお使いの機種がAtmos非対応の5.1chサウンドバーなどの場合は、以下のように設定します。
- HDMI機器の種類: AVアンプ(※これは同じ)
- チャンネル数: 5.1ch(または7.1ch)を選択
- 音声フォーマット (優先): Dolby Audio を選択
「DTS」でも構いませんが、VODサービスやゲームはDolby採用が圧倒的に多いため、「Dolby Audio」にしておくのが最も失敗がない賢い選択です。
よくある質問(FAQ)
まとめ:PS5の設定一つで、あなたの投資を“完成”させよう
今回は、PS5 / PS5 Proの音声設定という、多くの40代ユーザーがハマりがちな「沼」について解説しました。




おさらいです。
高性能なAtmos対応サウンドバーを持っているあなたが選ぶべき「完璧な設定」は、たった2ステップです。
- HDMI機器の種類 → AVアンプ を選ぶ
- (理由:機械の名前ではなく、Atmosを処理できる「機能」をPS5に伝えるため)
- 音声フォーマット (優先) → Dolby Atmos を選ぶ
- (理由:LPCMではAtmosの「高さ」情報が失われ、没入感が死んでしまうため)
- (懸念の払拭:eARC接続なら、遅延は客観的データで「体感不能」と証明されているため)
たったこれだけです。
この設定一つで、あなたがサウンドバーに投じた十数万円の投資が、ようやく“完成”します。
ぜひ今すぐPS5の設定を見直し、ゲームも映画も、本物の「異次元の没入体験」を手に入れてください。



PS5の性能を100%引き出すには、音設定だけでなく、テレビとサウンドバーの「組み合わせ」と「映像設定」も完璧にする必要があります。ゲームと映画の“両取り”を目指す方は、必ずこちらの「ゲーミングシアター唯一解」の記事もご覧ください。

