PS5やPS5 Proを手に入れ、念願の高性能サウンドバーに接続。いざ最高の没入体験を、と設定画面を開いた瞬間、多くの人がここで手を止めます。
「HDMI機器の種類……? 買ったのはサウンドバーなのに、なぜ『AVアンプ』という選択肢があるんだ?」
「音声フォーマット……? 『リニアPCM』と『Dolby Atmos』、結局どちらを選べば正解なんだ?」
こんにちは、シアターコンシェルジュの結城ナオキです。20年以上ホームシアターの世界にいますが、このPS5の音声設定は、機材に詳しくないユーザーにとってあまりにも不親切な“罠”だと感じています。特に、当ブログで「沼にハマるから回避せよ」とお伝えしている『AVアンプ』という単語がしれっと混ざっているため、混乱するのは当然です。
結論から言いましょう。ここでの設定を一つ間違えるだけで、あなたが投資した数万円、あるいは十数万円のサウンドバーの性能は、文字通り「半分以下」に殺されます。
- Atmos対応サウンドバーの場合: HDMI機器は「AVアンプ」、音声フォーマットは「Dolby Atmos」一択。
- Atmos非対応の場合: HDMI機器は「AVアンプ」、音声フォーマットは「Dolby Audio」一択。
- リニアPCMの罠: LPCMを選ぶとAtmosの立体音響データが消滅し、性能が完全に無駄になる。
※予算と環境に合わせた圧倒的な没入感を引き出す「本物」のサウンドバー最適解はこちらの記事で客観的データに基づき厳選しています。
機材選びで失敗したくない方は、私が無責任なランキングを捨て、残酷なまでの「実測データ」だけで機材を評価する理由(運営者情報)もあわせてご覧ください。
最大の疑問:「サウンドバー」なのに「AVアンプ」を選ぶべき理由
えっ、待ってナオキさん! そもそも私が買ったのはサウンドバーなのに、どうして設定画面で『AVアンプ』を選ぶんですか!?
結城 ナオキ素晴らしい疑問です。それこそが、ほとんどの人がハマる最大の“沼”です。実はこの設定項目、繋がっている「機械の名前」を聞いているわけではないんです。
PS5側は、『今繋がっている機械の“音声処理能力”はどのレベルですか?』と聞いています。
- 「テレビ」を選ぶとは:PS5側で一番簡単な音(ステレオ2chなど)にダウングレードして送ること。
- 「サウンドバー」を選ぶとは:PS5側で5.1ch程度に処理して送ること。(※一昔前の古い定義です)
- 「AVアンプ」を選ぶとは:受け手側が完璧に処理できる能力を持っているから、PS5は何も加工せず、音のデータを“生のまま(ビットストリーム)”全部送ってくれ、と宣言すること。
現代の高性能サウンドバーは、機能的に見れば「AVアンプとスピーカーが一体化したもの」です。その性能を100%引き出すには、PS5に対して『僕にはAVアンプと同じ処理能力があります!』と堂々と宣言する必要があるのです。
第2の沼:「リニアPCM」vs「Dolby Atmos」どっちが正解?
「AVアンプ」を選ぶべき理由がわかったところで、次の沼です。
ここでも巷の「ゲームは遅延ゼロのリニアPCM最強説」という情報が、あなたを混乱させます。
結城 ナオキ結論を言います。Atmos対応サウンドバーを持っているなら、Dolby Atmos(ビットストリーム)一択です。 リニアPCMを選んではいけません。
現代のeARC対応サウンドバーとPS5の組み合わせにおいて、Dolby処理の遅延を体感できる人間はまずいません。巷のランキングサイトでは語られませんが、これは客観的な測定データが証明しています。
結城 ナオキ信頼できる測定機関のデータでも、eARC接続であればLPCMとDolby Atmosの遅延差は数ミリ秒(1000分の数秒)しかありません。これは完全に『体感不能』な差です。
それよりも、リニアPCMでは『Dolby Atmos』の音(=高さや位置情報を含んだオブジェクトベースの音声)を送れないというデメリットの方が100倍問題です。没入感を最優先するなら、Dolby Atmos一択。これが私の結論です。
【警告】設定を変える前に。そのケーブル、PS5の息の根を止めていませんか?
PS5から送られる「非圧縮のDolby Atmos」という膨大なデータ量の濁流を通すには、両方をつなぐ水道管(HDMIケーブル)を極太の「48Gbps対応(HDMI 2.1)」にする必要があります。
ここで古い規格外のケーブルを使っていると、いくら設定を完璧にしても音が途切れたり、そもそもAtmosが出力されなかったりする原因になります。ボトルネックを破壊する最低限の「正解」のケーブルは必ず用意しておいてください。
※AIによる自動価格調整あり。現在の最安値とポイント還元を見比べてみてください。
【完全ガイド】PS5 / PS5 Pro 音声設定の全ステップ
(※お使いのテレビとサウンドバーが「eARC」対応のHDMIケーブルで接続されていることが大前提です)
設定 > [サウンド] > [音声出力] を開き、「HDMI機器の種類」で「AVアンプ」を選択します。直後に現れるチャンネル数は「7.1ch」を選んでください。
※「5.1chモデルを使っているから5.1chを選ぶ」のは間違いです。受け取れる最大幅の「7.1ch」を確保しておくのが正解です。

少し下にスクロールし、「音声フォーマット(優先)」の項目で「Dolby Atmos」を選択します。(※Atmos非対応サウンドバーの場合は「Dolby Audio」を選択)
手順はたったこれだけです。これでPS5側の封印は解かれました。
日本の住環境における「賢いサウンドバー」の選択基準
設定が完璧でも、音を鳴らす環境が伴わなければ意味がありません。しかし、ここで「よし、本格的なAVアンプと5台のスピーカーを買おう!」と考えるのは、40代の賢い投資とは言えません。
ウサギ小屋と揶揄される日本の住宅事情(狭いリビング、薄い壁、家族からの配線に対する冷ややかな視線)において、本格的なリアルスピーカーの設置は“沼”への入り口です。低音のクレームに怯え、掃除の邪魔になる配線に妻が眉をひそめる……そんな環境で没入感など得られません。
だからこそ、私は「サウンドバー」を推奨しています。現代の高性能サウンドバーは、天井の反射や高度な演算処理を用いて、たった1本のバー(+α)で日本の狭いリビングを完璧なシアター空間に変える力を持っています。大切なのは、あなたの部屋の制約に合わせた「確かな処理能力を持つ一本」を選ぶことです。
専門家が答える「よくある質問(FAQ)」
最後に:あなたの環境に合わせた「処方箋」(次のステップ)
ここまで読んでいただいたあなたは、もうPS5の音声設定で迷うことはありません。機材のポテンシャルを100%引き出す知識(=沼を回避する第一歩)はすでに身についています。
あとは、その完璧な設定を受け止められる「本物の出力先」を選ぶだけです。もし現在の音響環境に少しでも物足りなさを感じているなら、あなたのリビングに圧倒的な没入体験をもたらす「本物」を探すステップに進んでください。

※この記事で解説した「Dolby Atmos」の恩恵を完全に引き出せる「最適解」を、客観的データと共に厳選しました。後悔しない機材選びの参考にしてください。

