40代からのホームシアター構築、そしてPS5やXbox Series Xといった最新ゲーム機での「異次元の没入体験」。素晴らしいですよね。
ですが、もしあなたがゲームをプレイする時、テレビの映像設定を「あざやか」や「標準」、「オート」モードのままにしているとしたら…。
結論から言うと、あなたはPS5の性能の半分も引き出せていません。それどころか、自ら“絶望的な遅延”を発生させて、貴重なゲーム体験を台無しにしている可能性があります。
巷のサイトでは「ゲームモードのメリット・デメリット」などと悠長な解説をしていますが、私から言わせれば、それは議論の余地すらありません。
この記事では、なぜゲームプレイ時は「ゲームモード」一択なのか。その客観的な理由(データ)と、40代の私たちが知っておくべき「ALLM」という便利な機能について、プロの視点から徹底的に解説します。
- PS5やXboxでゲームをする時、テレビの映像設定は「ゲームモード」一択です。
- 理由は、ゲームモード以外の設定(標準、あざやか等)では、テレビが映像を“キレイ”に見せるための「映像処理」が過剰に入り、それが「入力遅延(Input Lag)」を生むからです。
- この遅延は、客観的データ(RTINGS.com)で見ると約9倍の差になることもあり、操作と画面の動きがズレる致命的な原因となります。
- 「ゲームモードは画質が悪い」は過去の話。近年のテレビは優秀で、むしろ「制作者の意図した映像」でプレイできます。
- 最近のテレビやゲーム機(PS5/Xbox)は、接続するだけで自動でゲームモードに切り替わる「ALLM」機能に対応しています。面倒な設定は不要かもしれません。
なぜ「ゲームモード」一択なのか?“絶望的な遅延”の正体
ナオキさん、ちょっと大げさじゃないですか?「あざやか」モードの方がキレイに見えるし、遅延なんて感じたことないですよ?
ナオキそう思いますよね。ですが、その「感じていない」と思っている遅延こそが、実はあなたのゲーム体験を蝕んでいる“最大の沼”なんです。
重要なキーワードは「入力遅延(Input Lag)」です。
これは、あなたがコントローラーのボタンを押してから、その操作がテレビ画面に反映されるまでの「時間のズレ」を指します。


テレビは「映像処理」で忙しい
なぜ遅延が起きるのか?
テレビは、送られてきた映像信号をそのまま映しているわけではありません。特に「あざやか」や「標準」モードでは、映像をより美しく、滑らかに見せるために、テレビ内部で複雑な「映像処理」を行っています。
- ノイズを減らす処理
- 色を鮮やかに補正する処理
- 動きを滑らかに見せる処理(フレーム補間)
これらは映画を観る上では非常に有効ですが、ゲームにとっては“余計なお世話”です。これらの処理に時間がかかるため、ボタンを押した瞬間の映像が画面に映るのがコンマ数秒、遅れてしまうのです。
「ゲームモード」とは何か?
「ゲームモード」とは、これらの“余計な”映像処理を可能な限りバイパス(省略)し、入力遅延(Input Lag)を最小限に抑えることに特化した設定です。
「映像処理を省略する」と聞くと、画質が悪くなると思うかもしれません。
しかし、これは「映像の味付け」をやめる、というだけです。例えるなら、「素材の味(ゲームクリエイターが作った映像)をそのまま味わう」モード。これは、当ブログで推奨している「フィルムメーカーモード」と考え方が非常に近いんです。
RTINGS.comのデータが示す「絶望的な差」
では、実際にどれくらいの差があるのか。ここで、私が最も信頼を置く客観的データ、RTINGS.comの測定結果を見てみましょう。
彼らはすべてのテレビで、モードごとの「入力遅延(Input Lag)」を厳密に測定しています。
▼ LG G5 OLED TV – 入力遅延(Input Lag)
- 1080p @ 60Hz (In ‘Game’ Mode): 9.9 ms
- 1080p @ 60Hz (Outside ‘Game’ Mode): 89.6 ms



衝撃的な数値ですよね? 「ms」は1000分の1秒を意味します。
「ゲームモード」なら9.9ms(=0.01秒)の遅延です。これは人間の感覚ではほぼ認識できません。
しかし、「ゲームモード以外」では89.6ms(=0.089秒)にも達しています。これは約9倍以上の遅延です。
0.089秒と聞くと短く感じるかもしれませんが、60fps(1秒間に60コマ)のゲームでは、1コマあたり約16.7msです。つまり、常に5コマ以上も遅れた映像を見ながら操作していることになるのです。
5コマも!? それは……FPSや格闘ゲームでは致命的ですね。



その通りです。「何か敵の動きが速いな」「押したはずなのに負けた」と感じているなら、それはあなたの腕前ではなく、テレビの設定が原因である可能性が非常に高いのです。「PS5/Xboxの“沼”を終わらせる」ための第一歩です
面倒な設定は不要?「ALLM」の仕組みを正しく知る



とはいえ、40代の私たちにとって、ゲームを始めるたびにテレビの設定をリモコンで切り替えるのは面倒ですよね。
正直、面倒です…。映画を観る時は「フィルムメーカーモード」に戻したいですし。



ご安心ください。そのための技術が「ALLM(Auto Low Latency Mode:自動低遅延モード)」です。
これは、PS5やXbox Series Xといったゲーム機側が「今からゲームを始めますよ」という信号をHDMI経由でテレビに送り、テレビ側が自動的に「ゲームモード」に切り替えてくれる機能です。
メーカーによっては「オートゲームアジャスト」など独自の名称を使っている場合もあります。
ALLM(自動ゲームモード)の仕組み
- HDMI信号で検知: あなたがPS5やXboxの電源を入れると、テレビはそのHDMI信号を「これはゲーム機だ」と認識します。
- ゲームモードへ自動切替: テレビが自動的に(多くの場合、画面に「ゲームモードに切り替わりました」といった通知を出して)最適な低遅延モードに移行します。
- ゲーム終了で自動復帰: ゲームをやめたり、Netflixなどの動画アプリに切り替えたりすると、テレビはそれを検知し、元の映像モード(例:シネマモード)に自動で戻ります。


ただし、注意点もあります



非常に便利なALLMですが、いくつか押さえておくべき点があります。
- 全機種に搭載されているわけではない: この機能は、比較的最近(ここ数年)のテレビや一部のモデルに搭載されています。古いテレビでは対応していない場合があります。
- 接続機器によっては動作しない場合がある: PS5やXboxは対応していますが、例えばNintendo Switchは、最新の有機ELモデルであってもALLM機能には非対応です(テレビメーカー独自の連動機能で切り替わることはあります)。古いゲーム機では機能しません。
- テレビ側の設定が必要な場合も: 多くのテレビでは初期設定でALLMがオンになっていますが、稀に設定メニューから有効にする必要があるかもしれません。
なるほど…。自分のテレビが対応しているか不安になってきました。



まずは、お持ちのテレビの取扱説明書や設定メニューで「ALLM」や「オートゲームモード」といった項目がないか確認してみてください。もしPS5を接続して電源を入れた時に、画面の端に「ゲームモード」といった表示が一瞬でも出れば、それはALLMが正常に機能している証拠です。「VRR」や「120Hz」の設定と合わせて確認しましょう
よくある質問(FAQ)
まとめ:「ゲームモード」設定で、“本当の”ゲーム体験を手に入れよう
今回は、PS5やXboxでゲームをプレイする際のテレビ設定について、プロの視点から「ゲームモード一択」である理由を解説しました。
- ゲームモード以外は「遅延」の温床。
- RTINGS.comのデータが示す遅延差は「8倍以上」にもなる。
- 「画質が悪い」は誤解。むしろ「制作者の意図」に近い。
- 「ALLM」対応なら、面倒な切り替えは不要。
「あざやか」モードで無理やり引き伸ばされた色と、操作から5コマも遅れた映像でプレイするゲームが「異次元の体験」であるはずがありません。
ぜひ今すぐ、あなたのテレビ設定を確認してみてください。もしALLMが非対応であれば、ゲームを起動するたびに、手動で「ゲームモード」に切り替える。その一手間が、あなたのゲーム体験を“本物”の没入感へと引き上げてくれるはずです。私が「失敗しない・沼にハマらない」機材選びを提唱する理由はこちら
最後に一つだけ。ALLMや4K/120Hzといった機能を確実に動作させるには、「Ultra High Speed」認証を受けたHDMIケーブルが必須です。古いケーブルを使っていると、画面が暗転したり、機能がオンにならなかったりします。
私が20年かけてたどり着いた「高ければ良いわけではない」というケーブルの結論は、以下の記事で解説しています。失敗しないHDMIケーブルの選び方
とりあえず迷ったら、公式認証済みでコスパ最強のこれを買っておけば間違いありません。


